台湾に来たら夜市も楽しみのひとつ。ほとんどの夜市は毎晩開かれ、地元の人々や観光客でごったがえしています。夏祭りのようでもあり、場所よっては年末のアメ横もしくはそれ以上の混雑ぶり。100mくらいの距離を歩くのに20分以上かかったことも(笑)。
最初行ったのが12月だったため気づかなかったんですが、何かお祭りがあるわけでもないのにどうしてこんなに混んでるんだろう?と思ったら昼間の暑さを避けて夜に外出していからとのこと。また働くお母さんが多いからではないかということでした。
とにかく色々なものが売られているのですが、露店の並び方も適当な感じなのも面白い。ここは食料品のエリア・・などのゾーニングもされておらず、混沌としています。地元の人達も、買うものを決めている様子もなく、家族を急かすわけでもなく、その時の気分や雰囲気で買ったり食べたりしている感じです。
夜市の起源
どこまで遡るかにもよるけれど「天秤棒の呼び売り」に行き着くようです。清の時代に福建や広東から渡ってきた移住者たちが山林の開墾していたところへ、天秤棒を担いで料理の呼び売りを始めたところ、それが大盛況。
またその頃、無病息災を願い廟を建てたら人が集まり、食事を提供する露店も集まり、次第に人が集まるところには屋台や露天が出没、次第に市場が形成されるようになったという説があります。そのため、夜市は地域によって規模も特色も異なるのだとか。
今でも廟でも景勝地でもどこでも、人が集まるところには必ず屋台が出ていて、食べることにはまったく困らないことからも頷けます。
そこから数えると200年以上の歴史があることになります。
日本統治時代の納涼会も夜市に影響を与えたと言われています。
戦後の国民党が入ってきてからは、夜市は取り締まりと指導の間で揺れ続け、多くの矛盾を抱えていました。結局のところ、その目的は政治・思想の取り締まりでだったため、対象になったのは書籍販売など一部の業種に限られ、食べ物や日用品の露天商に関しては放任だったとか。
その後は、出店者を福祉的な意味で必要な人に絞った時期もあったそう。同時にダークで近寄り難いイメージも生まれてしまいました。国民所得がある程度の水準に達すれば露天商や屋台も減ると思われた夜市も、蓋を開けたら台湾経済に多大な貢献をしていたそうです。まさに庶民の逞しさを感じる歴史と文化の象徴であり、今では台湾屈指の観光名物となっています。
今回は台北市内の「士林夜市」と「華西街夜市」に行ってきました。
士林夜市
台北市で最大規模の夜市。日本からも週末を利用して、台湾小吃(B級グルメ)ファイターみたいな人も来ていました(笑)。
1909年に開設されましたが、施設の老朽化による衛生上・安全上の問題があったため、台北市政府は大規模改修を決定。2002年10月に同市場を閉鎖し、剣潭駅前に「士林臨時市場」が設置されました。写真はその臨時市場の様子です。
一部の店舗は建物の中にあったため、空気が油っこいような・・。蚵仔煎(台湾風の牡蠣オムレツ)、大腸包小腸(台湾風ソーセージ+もち米の腸詰)、臭豆腐(しゅうどうふ)、大餅包小餅(春巻のようなもの)、雞排(ジーパイ)などの看板が目立ちます。
しかも安い!
蚵仔煎(台湾風の牡蠣オムレツ)とビーフンを頂きました。これだけ
華西街夜市
台北のパワースポット「龍山寺」のすぐ近くです。まさに廟の前に露天や屋台が集まって形成された夜市の典型みたいな感じです。人気の「台南担仔麺」もここが発祥だと言われています。
普通に屋台もありますが、ここは海鮮が多いのかな??と思って進んでいくと、だんだんと雰囲気がおかしくなってきます。いかがわしさっていうのかな(笑)。
あるアーケードをくぐると、もう露骨です。滋養強壮目的の食材や漢方とか、捌かれた爬虫類とか、蛇の血とか睾丸とか・・・・。珍味というよりゲテモノ系です。その他、ピンク系のお店もいっぱい。
ゲテモノを目の前で捌くショーが店先で開催され、蛇の血をその場で飲めたりできるみたいです。ちなみに蛇の血は身体がカッと熱くなってちょっとハイになるらしく、夜に頑張りたいだけでなく、地方から都会に出て来たときに個人的儀式みたいに飲む人もいるそうです。ちなみに、蛇料理のレストランもあるとか。
入口付近の写真撮影すら禁止のお店も多く、絡まれても嫌なので撮っていませんが・・・・。それにグロい写真とか後で見るのも嫌だし、ブログにもさすがに載せられないような気がする(笑)。
華西街は、かつて風俗産業が密集するエリアでした。政府や行政が風紀の取締りをしたため、随分観光地らしくなり、治安も随分改善したそうです。でもまだまだ風俗街の雰囲気はいっぱいです。
そういったエリアから引き返してきて、ごく普通の屋台を見たときに安堵感がものすごい。
台湾の天ぷらもおいしいですよ。
日本のゲテモノの比ではないので、試したい人は華西街夜市へどうぞ。
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