JR根岸線・山手駅から、全国でも珍しい直線を引いたような長い商店街を歩いて5分くらいのところにある「いなり湯」さん。商店街も珍しいけれど、緑色を基調とした銭も珍しい。
もともとは横浜市南区で別の銭湯を経営していたそうですが、1945年5月29日の横浜大空襲により焼失してしまったそう。1946(昭和21)年にこの場所で「いなり湯」を開業、1961(昭和36)年に建て替え、今に至るそうです。
今はどこの家にもお風呂があるのが当たり前だけど、たくさん用意された下駄箱に、かつての忙しさが目に浮かぶよう。私が子供の頃、空いてる下駄箱を探した思い出があります。
お相撲さんの手形が飾られていました。横浜南区出身の力士の方のもので、こちらの銭湯にもいらしたのだとか。手がでっかいですよね。
あいにく中は撮影ができませんでしたが、ペンキ絵もモザイク画もタイル絵もありました。電気風呂が付きの黒湯もあります。
黒湯は、東京近辺にが湧出することが多いのですが(蒲田周辺の黒湯温泉は有名)、神奈川県でも川崎市、横浜市、相模原市などで湧出しています。
黒くなるということは、火山性の温泉では海洋性の温泉の証なのだとか。
古代の海の浅瀬に生息していた植物類(ワカメや海苔I、木の葉など)が海底に沈殿し、火山灰などの堆積物により厚く閉じ込められ、何億年もかかり続けた圧力や経年変化によって有機酸に分解された成分(フミン酸)によるものだそうです。
神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ウェブサイト
https://k-o-i.jp/koten/inariyu/
多くの銭湯のように、1つの正面入り口から入り、男湯側と女湯側の二手に分かれる造りではなく、建物の入り口も二手に分かれている不思議な造り。下駄箱スペースは分かれていないので、どちらから入っても同じなのですが、男湯と女湯の扉があってそこでまた再び分かれるスタイルです。
東京の銭湯に慣れていると不思議な感じがしますが、横浜ではこういうスタイルなのか、他の銭湯もこういう造りでした。
今度は中も撮影できるといいなあ。
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