東京|松の湯(品川区西五反田)/宮造りの銭湯が多い理由

銭湯も建て替えが増える中、破風造りの銭湯に惹かれます。ずっと南関東に住んでるから当たり前に思っていたけど、実はこの造り、関東、特に東京・神奈川などに多く見られるのだとか。1923(大正12)年の関東大震災の復興の過程で、頑丈で豪華な宮造りにしたことが始まり、戦後の復興過程でも多く造られたという。元気づけたり安心できる場だったのでしょうね。

東急目黒線「不動前」駅から徒歩7分くらいの住宅街の中にある「松の湯」さん。創業は1961(昭和36)年。 震災からは随分経っているものの、この造りは相当人気だったことが伺えます。


宮大工さんでないと作れない部分も多いそうです。震災後にしても戦後にしても、多くの神社仏閣も相当な被害を受けていたはずです。けれど、庶民の暮らしの復興のために宮大工さんも奮闘した・・という歴史的な証と思うと、感慨深いものがあります。



混んでいたため、中の撮影はできなかったけれど、番台ではなくフロントタイプに改装されているものの、脱衣所は総ひのき造り。高い折り上げ格天井、富士山のペンキ絵、桶もお馴染みのケロリン桶ではなく、木桶が置いてあり、レトロ感いっぱいでした。


品川浴場組合:松の湯
http://shinagawa1010.jp/list/matsunoyu_a/

JR山手線・五反田駅や東急池上線・大崎広小路駅からも行けます。

 品川区内には井戸が点在しているため、区内で営業する銭湯の多くはその地下水を使っているそうですよ。銭湯の数も多いです。


銭湯空間 (角川書店単行本)




コメント