湘南|”昭和”を守り続ける喫茶店:チェス(茅ヶ崎)【解体】

 JR東海道線「茅ヶ崎」駅、南口の小さなロータリーの向かいの喫茶店「CHESS(チェス)」。1968(昭和43)年に創業です。

窓からは茅ヶ崎駅が見えます。このお店ができた頃、駅舎は木造だったそう。

開店した頃はどんな時代か?60階建の超高層ビル「サンシャイン60」が開館、24時間テレビ「愛は地球を救う」放送開始、日中平和友好条約調印、キャンディーズが後楽園でサヨナラコンサート、郊外のファミリーレストランが大盛況。
日本がすごく元気だった頃。

 

現在までに3回ほどリニューアルしたそうですが、そのたび、照明器具や家具なども使い、開業時のお店の雰囲気を可能な限り残すよう、随分工夫されたのだとか。

 


窓から見える景色はどんどん変わっていっても、お店の中は、昭和のまま。

 

喫茶店やカフェの内装やメニューにも流行りがあるし、時代に合わせてレトロ感がなくなり、昔ながらのパフェなどもメニューから消えてしまうケースもありますよね。街並みもお客さんの好みも、時代と共に様々なものが変わる中、創業当時のスタイルを守り抜く方が大変なこともあったと思います。

古くてもまだ使える素敵なものを、手入れして大切に丁寧に使い続ける姿勢は素晴らしく、個人としても見習わなくては!!


 

頂いたのは、「あんこサンド」。
あんこと生クリーム、薄くスライスしたバナナがサンドされています。添えられたポテトチップスの塩味があると、飽きずにいただけます。


湘南はもともと別荘地や保養地で、茅ヶ崎は空襲で焼かれることもなかったせいか、のんびりした雰囲気で古い商店が多い町でした(それと道が狭い)。時代と共に、新たな「湘南」スタイルを打ち出したお店が増えたことやチェーン店の進出で、古い町なのにレトロな喫茶店は案外少ないようです。すごく貴重です。

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【追記:2023年6月1日】
2023年5月末をもって閉店されたそうです。
すごく惜しい!長いことお疲れさまでした。ありがとうございました。

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