「切腹最中」とは大胆なネーミング!しかもハチマキをしています。しかもサラリーマンの営業ツール、取引先に頭を下げに行くときに持参するとも言われており、この時もスーツ姿のお客さんがひっきりなしに訪れていました。
この切腹最中を開発・販売したのは、大正元年創業の老舗の和菓子屋「新生堂(しんしょうどう)」さん。それにしてもどうして思いついたんだろう?
もともと忠臣蔵の起こりとなった田村右京太夫屋敷跡にあり、浅野内匠頭が切腹した場所に店を構えていたことに由来しているそうです(新橋~虎ノ門間の環状二号線の整備が行われたため、現在は移転しています)。
商品開発のきっかけは常連客から言われ続けていたこんな要望だったとか。
「新橋には名物がない。お前のところの大福はうまいけど、大福は日持ちがしない。何か日持ちがするものを作って欲しい」。
このときすぐに忠臣蔵の関するものをと思ったわけではなく、地域性などさまざまなことを考えていくうちに「忠臣蔵にたどり着いた」のだそう。
このネーミングには、周囲は猛反対。どうしても諦めることができず、1990(平成2)年、販売に踏み切ったのだそうです。老舗の看板を守らなくてはならない三代目経営者、大きな決断だっただろうと思いますが、販売を始めると一躍人気商品に。
一方で、名前が一人歩きし始めた感じることもあったといいます。同時に偶然とは思えない繋がりを知ったり、さらに新たなご縁も広がり、今では、忠臣蔵の語り部的な存在にもなってしまったそう。「全国ANAスイーツ」や「メトロガイド 東京うまいもの大賞読者投票」で1位を獲得しています。その他の商品も売れていて、この「義士ようかん」はパッケージに歌川国芳の武者絵四十七士が描かれています。
その他、忠臣蔵とか江戸にちなんだ商品がいろいろ。吉良邸への討ち入りの際に使われた山鹿流陣太鼓を模した「忠臣蔵陣太鼓どら焼き」、江戸時代の町火消し・武家火消しにちなんだ「大江戸まとい」、縁起のよい小判型の皮に黒字にちなんだ黒糖あんこを入れた「景気上昇最中」、愛宕山にある名所にちなんだ「出世の階段」など。
JR新橋駅から歩いて10分くらいです。頭を下げに行くご予定のある方だけでなく、東京に出張に来たけれどいつもと違うお土産を買いたいという方は是非。オンラインショップもあります。
御菓子司 新正堂:https://www.shinshodoh.co.jp/
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