[PR]
オズマガジン別冊「あなたが選ぶ生き方(年4回発行)」、覚えていらっしゃる方、いますか?その中のインタビュー記事が本になったものがあったのですね。雑誌は、確か1994(平成6)年頃から2002(平成14)年頃まで発行され、一番盛り上がっていたのは1996(平成8)年から1998(平成10)年頃ではないかと記憶しています。
まだまだ日本が元気だった頃ですね。今20代くらいの方にとっては、お母さま達の世代。時代は違っても、同じように生き方を模索していたことが感じられるかもしれません。
時代も「令和」になったし、2020年代も始まりました。
これからはどんな時代になっていくのでしょうね。また20年後、こんな振り返りができたらいいなと思います。
女性の歴史や生き方うんぬんよりも、今回はこの雑誌が出ていた頃がどんな時代だったか振り返ってみたいと思います。前段として発行される数年前のことから。
●1989年(平成元年)
世界では、ソ連のアフガニスタン撤退、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、ルーマニア革命、チェコスロバキアでビロード革命、マルタ会談・米ソ冷戦終結、サンフランシスコ大地震。
- 昭和天皇の大喪の礼、法律により当日は休日となった。
時代は「昭和」から「平成」へ。”激動の昭和”という言葉が生まれる。 - 消費税法施行。消費税率は3%。
- 日本人の初婚年齢は女25.8歳、男28.5歳でともに史上最高。
- ファッションは以前「渋カジ(渋谷カジュアル)」が流行。ポロシャツ、紺ブレザーなどシンプルな着こなし。
- 三菱地所がアメリカのロックフェラー・センターを買収。
- 美空ひばり、松下幸之助、手塚治虫、松田優作、死去
- 任天堂が携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」を発売。
●1990(平成2)年
湾岸戦争の勃発、ソ連が一党独裁放棄し大統領制に、ドイツ統一が実現、南アの黒人解放指導者マンデラ氏釈放。アルベルト・フジモリがペルー大統領に就任。
- バブル景気最後の年。
- 海外旅行など日本人の年間出国者数が1000万人を突破。
- 秋篠宮文仁親王&紀子さま、御成婚
- 南米発祥のダンス「ランバダ」が世界的にブーム
- 総理府「墓地に関する世論調査」、夫の墓に入りたくない妻が増加 。
- 「ちびまる子ちゃん」がフジテレビ系列で放送開始
- 雲仙・普賢岳噴火
- オグリキャップ、ラストランで優勝
●1991年(平成3)年
湾岸戦争勃発、ユーゴスラビア紛争勃発、バルト3国独立、南アフリカがアパルトヘイト撤廃、フィリピンのピナツボ火山大噴火、フィリピンに台風直撃で死者5000人以上、アウン・サン・スー・チーさんにノーベル平和賞。
- バブル崩壊
- 若貴ブーム。兄の若花田、弟の貴花田の兄弟力士が活躍し、相撲ブームに。
- 湾岸戦争で90億ドルの追加支援
- 自衛隊初の海外派遣
- 牛肉とオレンジ、輸入自由化
- 新宿に新東京都庁舎が開庁
●1992(平成4)年
ソマリア飢餓が深刻化、ボスニア紛争、ロサンゼルス黒人暴動、ポンド危機、ビル・クリントンがアメリカ大統領に当選、チェコスロバキア分離へ
- きんさん・ぎんざんブーム
- 東海道新幹線「のぞみ」運転開始、山形新幹線が開業
- PKO協力法が可決成立
- サッカーアジアカップ、日本が初優勝
- 国際結婚増加、約2万6000件、結婚全体の3%、1970(昭和45)年には結婚全体の0.5%だった。
- 育児休暇法施行。4~6月で、労働組合の34%で計862人が休業を取得、15人が男性
●1993(平成5)年
北朝鮮の核開発疑惑、ロシア10月政変、インドで大地震
- 平成米騒動
- サッカー「Jリーグ」開幕
- 徳仁皇太子殿下&雅子さま、御成婚
- 北海道南西沖地震
- 1993年冷夏
- 労働省がセクハラを定義、「相手方に意に反した性的な言動をし、それへの対応によって仕事上の不利益を与えたり、就業環境を悪化させること」
- 「シングル性調査」(博報堂)、結婚後も自由・自立・ときに自閉を求めるシングル度の高い男女の増加を指摘
- 香港で求職する日本人OLが増える。日本の会社を退職した30歳前後の女性が多い。
発行される前の伏せんというか、こういう時代だから生まれた雑誌なんだなあ・・としみじみ思います。とりわけ、バブル崩壊や「就職難」は大きかったのではないでしょうか。
ここからは、この雑誌が発行されたであろう、1994年以降です。
既に生活が「右肩上がり」によくなるという考えは幻想になりました。結婚はしたいけど、かつてクリスマスケーキと言われた24歳・25歳なんて早すぎる、屈辱的だ!という女性が多くなり、そういう発言もさほど非難されなくなりました。
自由にはなったけれども、何故か生きにくい。情報を集め、さまざまなことを学び、働いて、朝から晩まで動きまわって、足しても足しても補っても補っても十分じゃない気がして、頑張り過ぎる女性達も増えました。
●1994年(平成6)年
ルワンダ内戦で200万人が難民に、ネルソン・マンデラが南アで黒人初の大統領就任、アイルトン・セナが事故死、英仏海峡トンネル開通、、O・J・シンプソン事件、
- 米不足で価格高騰
- 青森県の三内丸山遺跡で大量の遺物出土
- 松本サリン事件
- 記録的猛暑で水不足が深刻化
- アジア人女性初向井千秋さん宇宙へ
- 関西国際空港開港、大阪湾泉州沖5Kmに、世界初の人工島の海上空港。
- 「同情するなら金をくれ」、TVドラマ「家なき子」でヒロイン(安達祐美)の台詞
- ストリートファッション、スノーボード・スタイル、ソフトジーンズ大流行
- 「働く女性のための弁護団」を女性弁護士ら結成
- 母子手帳の男性版『父子手帳』発売、10月までに2万5000部売れる。
- 女子学生就職難、「氷河期」といわれる。
- 厚生省、「老人訪問看護ステーション利用実態報告」、寝たきり男性の介護は妻が71%、娘が9%、嫁13%、一方女性の介護は夫が15%、娘が31%、嫁38%という結果
- 全国の中学校・高等学校で女子生徒のブルマー着用を見直す動き。足等の身体の一部が露出し過ぎるという生徒側からの反発もあり、また、ブルマーが性的好奇心の対象として認知されるようになったこと等、ブルマー着用の是非についてマスコミでも議論となった.
- よく耳にした歌(邦楽):ロマンスの神様(広瀬香美)、恋しさと せつなさと 心強さと(篠原涼子)、innocent world(MR.CHILDREN)、世界が終るまでは・・・(WANDS)、Hello,my friend(松任谷由実)、Boy Meets Girl(trf)
●1995(平成7)年
フランスが核実験強行、サハリンで大地震、オクラホマ連邦政府ビル爆破事件、ソウル三豊百貨店崩壊事故、アウン・サン・スー・チーさんの自宅軟禁が解除、野茂英雄がメジャーリーグ新人王に
- 阪神・淡路大震災
- 地下鉄サリン事件(13人が死亡、5510人が重軽傷)
- 多額の不良債権が問題化
- 空前の就職難、女子学生の就職難続き「超氷河期」といわれる。
- 失業率上昇。
- PHSサービス開始
- 全日空857便ハイジャック事件
- 松岡修造、ウィンブルドンでベスト8
- Windows95の日本語版が発売
- 「もんじゅ」ナトリウム漏洩火災事故
- コギャル現象(シャネラー・グッチャー等)
- プラダ・ファッション、光沢素材、チビT、へそ出しルック、ダウン・ジャケットが流行。
- 女性のための初の個人加入の労働組合「女性ユニオン東京」誕生
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 成立
- 沖縄米兵少女暴行事件、抗議の動き拡がる。
- 厚生省、低用量ピルを解禁
- よく耳にした歌(邦楽):LOVE LOVE LOVE(ドリカム)、シーソーゲーム(Mr.Children)、ロビンソン(スピッツ)
●1996(平成8)年
アトランタ五輪、アトランタ五輪爆弾テロ事件、ニューデリー空中衝突事故、ペルー日本大使公邸占拠事件、アフガニスタンの反政府勢力タリバーンが首都カブールを制圧、ラバニ政権が崩壊。台湾総統選で李登輝氏圧勝、台湾海峡に緊張。
- 病原性大腸菌「O157」による食中毒が全国各地で発生
- プリクラ流行
- 薬害エイズ事件国が責任を認める
- 沖縄の普天間飛行場全面返還で日米合意
- 「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始
- スターバックス 日本1号店が銀座にオープン
- ルーズソックス、アムラーファッション、1970年代ブームが流行
- NINTENDO64、ポケットモンスター、たまごっち、ポータブルMDプレーヤー、流行
- 「援助交際」という言葉が出始める
- よく耳にした歌(邦楽):I'm proud(華原朋美)、DEPARTURES(Globe)、LA・LA・LA LOVE SONG(久保田利伸)、あなたに逢いたくて(松田聖子)、
●1997(平成9)年
ペルー日本大使公邸人質事件、香港が中国に返還、アジア通貨危機、米国の景気拡大7年目入り、ダウ8000ドル突破、北朝鮮で食糧難、世界初のクローン羊「ドリー」誕生、ゴルフのマスターズでタイガー・ウッズが最年少制覇、ダイアナ元英皇太子妃が事故死、マザー・テレサが死去、エジプト・ルクソールでテロ、京都議定書が採択
- ナホトカ号重油流出事故
- 映画「タイタニック」が大ヒット
- 消費税率を5%に引き上げ
- 日本サッカー 悲願のワールドカップへの出場決める(ジョホールバルの歓喜)
- 三井三池鉱山が閉山
- 動燃で爆発事故など不祥事続発
- 三洋証券経営破綻
- 山一證券破綻
- 北海道拓殖銀行が破綻
- 臓器移植法の施行
- 秋田新幹線、長野新幹線開業
- 東京湾アクアライン開通
- 大阪ドーム、ナゴヤドーム完成
- トヨタが初の量産HV「プリウス」発売
- 日本人デザイナー・ブーム
- アサヒ・スーパードライ、キシリトール流行
- よく耳にした歌(邦楽):CAN YOU CELEBRATE?(安室奈美恵)、Shangri-La(電気グルーブ)、PRIDE(今井美樹)、ひだまりの詩(Le Couple)
●1998(平成10)年
ロシア財政危機、インドとパキスタンが地下核実験、北朝鮮がミサイル実験、弾頭部は三陸沖に着弾の可能性、インドネシアでスハルト体制崩壊で32年間の独裁に幕、米英軍がイラクを大規模攻撃、アフリカで米大使館同時爆弾テロ、北アイルランド和平合意、ユーロ参加11カ国決定
- 金融ビッグバンが始動
- 明石海峡大橋開通
- 原宿の歩行者天国が廃止
- 参院選で自民党が大敗
- 中国・揚子江流域などで大規模洪水
- アップル「iMac」が日本で発売
- 長野オリンピック開催、サッカーW杯に日本初出場、
- 戦後最悪の不況に政府が24兆円の緊急経済対策
- 郵便番号7桁化
- ネイルアート、キャミソール・スタイル、迷彩柄、豹柄などプリントもの、トートバッグが流行
- よく耳にした歌(邦楽):誘惑(GLAY)、my graduation(SPEED)、長い間(kiroro)、Time goes by(Every Little Thing)、幸せな結末(大滝詠一)
●1999(平成11)年
欧州単一通貨ユーロ登場、北大西洋条約機構(NATO)がコソボ問題でユーゴ空爆、トルコと台湾で大地震、パキスタンでクーデター、米コロンバイン高校銃乱射事件、東ティモール独立へ、マカオ返還、ニューヨーク株式、1万1000ドル突破
- NTTドコモが世界初の携帯電話IP接続サービス「iモード」を開始
- ユニクロの「フリース」が大ヒット
- カリスマ美容師・カリスマ店員ブーム
- だんご3兄弟、ファービー人形、大人気
- 地域振興券の交付
- 国内初の脳死臓器移植
- 神奈川県警など警察の不祥事続出
- 石原慎太郎が東京都知事に
- 瀬戸内しまなみ海道開通
- 国旗国歌法が成立
- 東海村JCO臨界事故
- 2000年問題
- 盛田昭夫が死去
- よく耳にした歌(邦楽):だんご3兄弟(だんご合唱団、等)、Automatic、First Love(宇多田ヒカル)、LOVEマシーン(モーニング娘。)
1995年前後に、同じ世代の女性同士でもこれまでの価値観を良しとする人と、古く保守的な考え方に縛られたくないという人との間で軋轢こそないものの、交友関係が大きく変わった経験をした人も居るのではないでしょうか。
特に、20代・30代の女性にとって「結婚・出産」は大きなテーマなのに、「キャリア」や「自分らしさ」も考えなくてはいけない。
結婚はしたけれど独身でバリバリ働いたり海外留学・転職をする友人を見て早まった気がしたり、「〇〇さんの奥さん、△△ちゃんのママ」としか呼ばれない生活。一方、働いて経済的自立は果たしたものの、立ちはだかる出世の壁、「まだ結婚しないの?」攻撃、出産のリミット、これが本当に自分のやりたいことなのか?という疑問・・・。
何を選んでも、いつもどこかに不安や焦りがあったように思います。
また、たしかに窮屈な思いから海外を目指す女性も増えた時代でした。
あれから数十年、帰国した人も居れば、別の国に移った人も居れば、そのまま永住した人も。女性達の悩みの表層は変わっても、根茎はそれほど大きく変わっていないなあと思います。
* * * * *
<編集後記>
女性が自分の生き方を考え、実際に選べるようになってきたのは、本当にここ数十年のこと。遡るほど、いかに大変で理不尽であったか。今、当たり前のことが当たり前になるまでの道のりがあり、その中で有名無名を問わず、多くの女性たちの戦いと実績があったことも忘れてはならないと思います。
(こうしたことは少しずつ記事にしていきます)
コメント