JRから井の頭線へ抜けるココースにある巨大な壁画。岡本太郎さんの『明日の神話』、原爆・水爆をテーマとした作品のひとつ。
1954(昭和29)年に第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間と、核兵器に焼かれる人間を描いたという重たくも大切なテーマです。
何しろ本当に大きい壁画で、幅30mm×高さ5.5m。ちなみに、重さは14トンもあるそうです。
悲惨さだけを訴えているのではなく、人は残酷な惨劇さえも誇らかに乗り越えることができる、そしてその先にこそ「明日の神話」が生まれるのだというのが、メッセージなのだそう。
この作品が描かれた1968~69年頃は、米ソは核開発競争で核兵器の保有数を大幅に増加させていた頃。被爆国の国民として描かずにはいられなかったかもしれません。半世紀過ぎた現在でさえ、悲劇を防ごうと国際条約ができても、役立っているのかと疑問がわきます。
絵の大きさに圧倒されてしまうけど、細部も見て欲しい作品。
これは、死の灰を浴びた漁船?上の方には原爆で焼かれた人? |
第五福竜丸と被爆したマグロ? |
この作品が生まれた時代を知る人達と話すと、怒りも危機感もあったと思うし、命や人間の尊厳についてもすごく考えてきたんだろうなと感じます。
明日の神話保全継承機構
https://www.asunoshinwa.or.jp/introduction/
ちなみに、すぐ近くには、天津恵さんの「Bright Time」という明るい色彩の作品があります。太郎さんの作品の大きさやパワーに圧倒された方には、癒しになるかもしれません(別記事にて)。←解体されました。
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