「真珠湾攻撃」、アメリカではどう伝えられているのか。日本軍による騙し討ちで卑怯なやり方だったため、それまで戦争に反対していた米国市民も一転して戦意が湧き、反日感情はより高まった・・・というのが一般的と聞いたことがあります。
ここでは、戦前の日本と中国の関係についての展示からスタート。「GATHERING STORM」、何の展示だと思いますか?
各展示室の入り口には、学校の教室(〇年〇組)みたいなプレートが。 |
日本との戦争についてはこの「GATHERING STORM」の展示室から始まります。
あの開戦がひとつの結果だとすれば、いつ頃のどんなことをきっかけに戦争に向かってしまったのか。
南京陥落については書かれているけど、大虐殺については明記されていませんでした。
この件だけでなく他のことも含め、とある国のとある党がペンタゴンやこの博物館に対して記述や修正を強く求めて(文句を言って?)いるとか、いないとか(←濁しています・笑)。
WHY DID JAPAN INVADE CHINA?さて、どう答える?
ここでは、侵略をしたのは日本には資源がなかったから云々と、さらっと説明。
確かに日本には資源はないけれど、これでは娘を売るほど困窮していたことまで伝わらない。軍国主義的な香りがする記述もないけれど、欧米の帝国主義的脅威に対する恐怖と反発があったことにまで想像が及ばない・・。
何故、日本が追い込まれていたのかもわからない。
輸入に頼ってはいても豊かな生活をしている現代に私達でもわからないのに、資源がある国にわかるわけがないよなあ、とは思いますが・・。
「あの戦争の背景には、かなり複雑な要因があった」
あの時代の日本を生き抜いた人たちの多くが口にする言葉が、ここではあまり浮かびません。けれど、何か大きな事件があってドカンと始まったわけでなく、さまざまな問題があって戦争に繋がっていったことを、「GATHERING STORM」という言葉で表してるのかなと思いました。
零戦のこと
日本では、零戦のことは技術面や技術者魂、操縦者の腕などを誇りに思っている人が多いと思うけれど、いざ展示となると色々難しいことがありそうです。たとえば、遊就館の1階にある展示ですら「修学旅行の見学コースに入れるのはどうか」「展示は構わないが、場所が悪い」「負けたのに飾ってどうする!」など、様々な声があるとか。
零戦の部品や破損した機体の一部が展示されていました。いくら資源が少ない、軽量化が必要だったとはいっても、こんなペラペラの機体だったというのは衝撃的でした。これを拾ったアメリカも驚いたんじゃないかなと思います。
空母「赤城」の模型
飛行帽とゴーグルも本物だそうです。情報といい、物といい、よく集めたものだと思います。模型も本当に細かく丁寧に美しく作られています。こういうところ、アメリカってすごい。普段あんなにテキトーなのに(笑)。
アメリカ軍が撮影したものだけを展示しているわけではないようです。
当時、米メディアで伝えられていた日本人像、「進化の遅れた、卑劣で残忍な眼鏡をかけた出っ歯の猿」ではない、立派な青年達であることが伝わる写真です。
「トラ!トラ!トラ!」が「TIGER, TIGER, TIGER」に訳されていました。そうじゃねぇ・・と思いました。
トラトラトラは、日本軍の真珠湾攻撃が奇襲により開始されることを伝えた電信の暗号略号、意味は「ワレ奇襲ニ成功セリ」。
当時第一航空艦隊の航空乙参謀だった吉岡忠一氏は、「ハワイ奇襲攻撃作戦の間だけ使用する通信略語」として、小野寛治郎通信参謀と二人で作ったもので、深い意味はないと言ったと伝えられています。
一方、アメリカではこれを「TIGER, TIGER, TIGER」と訳し、「タイガーのように襲いかかる」と解釈したり、日本語の突撃と雷撃隊の最初の文字を合わせ「トラ」としたと述べる米軍関係者もいたと言われていました。
展示では、実際どのように解釈したのかまではわからなかったけれど、「TIGER, TIGER, TIGER」と訳され継承されていることだけは確かです。
勝者の余裕かもしれないけれど、時間の経過や温度差も感じました。
日本にとっては太平洋戦争は直近の戦争ですが、アメリカは他にも戦争をしてきているので、もう昔の若かりし頃の喧嘩くらいにしかっていないのかもしれません。
現在、アメリカ軍にとって日本は脅威でもなく、むしろ友好的に思っているとのこと、というより、他に面倒くさい相手がいるからかもしれませんが。
※このあたりは、後でパールハーバーに行ったときに、肌で感じることになります
ハワイ陸軍博物館
https://hiarmymuseumsoc.org/
コメント