Hawaii|U.S. Army Museumー陸軍博物館(1)

ワイキキのビーチから歩いて5分位のところにあるフォート・デ・ラッシー公園内に陸軍博物館がありました。

ビーチ周辺はみんな半分裸みたいな恰好で実にノンビリしていますが、ここに来るとリゾート、癒しのイメージとは違うハワイの一面を見ることができます。

ハワイが歴史的にも地理的にも暢気なリゾート地ではないことはわかるけど、いざとなれば、軍の拠点としてすぐに機能ができるのかと、しみじみ。砲台ができたのは1911年、日本では明治44年。実際に使用されていたランドルフ砲台を利用して建てられています。

その頃、敵は海からやってくるものでしたが、1941年12月のあの日曜日、敵は空からやってきました。真珠湾攻撃です。その日までハワイを護り続けてきたこの砲台は役目を果たすことができませんでした。とはいえ、敵が空からやって来るようになったとはいえ、今でも海からやってくる敵に備えなくてよくなったわけではありません。 




正面入口付近には戦車など、ものものしい展示。
ある戦車と武器の説明を見たら日本軍のもの。敵国のものを自国のものと並べて建物の正面に堂々と飾っていることに驚きました。場所が場所だけに「JAPが来てる」みたいな白い目で見られるのかな、日本人にとってつらい展示があるかな・・・等、思わなかったわけではありません。
でも、この並んだ戦車を見て、もしかしたら予想とは違うかもとか、博物館というより米国陸軍のPR館?とも思いました。



 

建物には入口が2箇所あり、向かって左側が、博物館の正面入口。もうひとつはPacific Regional Visitor Centerの入り口。Pacific Regional Visitor Centerでは現在、陸軍がハワイで何をしているか、市民の生活とどんな関わりを持ち、どんな貢献をしているか等を映像で紹介しています。


どちらの入り口からでも博物館には入ることはできますが、Pacific Regional Visitor Center側からだと裏口からこっそり入り、順路を遡っていく感じになります。

向こうに見えるのはトランプタワー。



砦だった頃の姿を想像させる回廊を通りました。正面から入ったらうっかりして気づかなかったかも。




そして、こんな感じのところにでます。ここはもう博物館内です。




ちなみに、正面入り口から入ると、すぐ目の前にミュージアム・ストア。素直にここから入ればよかったんじゃ?と思いました。



 

ショップには零戦のおもちゃ、プラモデル、Tシャツも売られていました。子供の頃、零戦、戦艦大和、戦艦武蔵などのプラモデルが普通に売られていて男の子たちはよく作ってましたが、今の日本ではどんな反応が返って来るやら・・・。そう思うと時代も随分変わりましたよね。



受付で(書いても書かなくてもいいけど)、名前、どこから来たか、また、軍人またはその家族かどうかを記入。入場料はありませんが、寄付金を入れる箱が館内に数か所設置されていました。

一所懸命書いたんだろうなあというような、ぎこちないけど丁寧な日本語のチラシもあるほか、オーディオ・ガイド器のレンタルあり。5ドルで借りられました(ちゃんとしたきれいな日本語音声でした)。



借りたいときは、ミュージアム・ストアのレジの人に伝えます(とてもシャイな日系4世の方がいました。日本語は本人が思ってる以上に通じます・笑)。

ちなみに、企画展とか特別展とか、やってる様子がまーーーったくありませんでした。
ハワイ王朝時代の戦さや、第二次世界大戦、それ以降の戦争(朝鮮戦争やベトナム戦争等)の展示が常設展としてあるのみです。



廊下を歩くだけで、時代の流れがだいたいわかるようになっています。


戦地での写真でも多数ありますが、宣伝用?と思うような写真も多々あります(言ってみればプ〇〇〇〇ダ)。 


車や小型カメラなどの発達、戦闘の仕方や武器の変化など要因は多々あるとはいえ、ベトナム戦争の写真は枚数も一気に増えて、一番多いです。

また、展示されている銃はすべて本物。来館者は軍関係者が圧倒的に多いから、元兵士が見ると本物じゃないって瞬速でわかってしまうのだそうです。


眺めているだけでも、20世紀は武器も軍服も戦い方も、ものすごい勢いで変わっていったことがわかります。人類がこん棒や斧で戦ってきた時代から考えると、鉄砲ができ、大砲ができ、次第に空から攻撃するとか、原爆やら何やら大変なものを人類は作ってしまったと思います。文明が進んだから武器が進化したのか、武器を進化させたから文明も進んでいったのか。
また、核ミサイルや戦闘機や戦艦などの新しく威力のある兵器ばかりが話題になりますが、最も人を殺害・負傷させてきたのは、実は、銃や爆弾といった量産できる小型兵器だったということがよくわかります。

兵器の恐ろしさは、戦場だけの問題ではありません。
兵器を作ってると思われれば攻撃されるし、戦後何十年も経ってなお、その戦場となった土地に住む人たちを傷つけ続けています。

自分の意思でここに来たものの、重たいところに来てしまったなと感じました。館内が暗いとか、壁や天井が音を吸収するような静かさとか、視聴覚的な影響もあるかもしれません。

各展示室については、別記事にて。

U.S. Army Museum(陸軍博物館)http://hiarmymuseumsoc.org/


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