Thailand|焼き物:王室御用達「ベンジャロン焼き」

タイの三大陶磁器「ベンジャロン焼き」「セラドン焼き」「青花(染付)」のひとつ、ベンジャロン焼きのカップ。ベンジャロンとは五彩のことですが、5色しか使ってないという意味ではなく「多彩」であるという意味。


しかもこれ、手書きです、感動します。日本で言うと伊万里や九谷みたいな感じでしょうか? 


ベンジャロン焼きの歴史
始まりは、アユタヤ王朝の17世紀前後、明朝(中国)から白い磁器の上に彩色が施された色絵食器が伝わってきたこと。当時、タイにはまだ製作環境も技術もなく、タイの王室が中国に注文していました。
当時、描かれていたのは、花や魚、鳥や山など、中国の伝統的な絵柄、言ってみれば中華風でしたが、中国から輸入する磁器を全て、白・黒・緑・赤・黄の5色の彩で統一させたそうです。それから、陶工を明朝へ派遣してタイでも生産するようになっていきます。

当初はこんなにキラキラではなかったそうですが、ラーマ2世の時代(チャクリー王朝の第2代のシャム国王、 在位:1809年~1824年)から金彩を施すようになったとか。

1910年にラーマ5世が亡くなった頃からベンジャロン焼は徐々に衰退し、生産が完全に途絶えてしまった時期もあったそうです。復活したのは1980年代に入ってからだそう。窯や技術は残っていたのですね。

もともと王室御用達なので、時代とともに一般にも広まったといっても、まずは貴族や裕福な商人からで、いつごろまでにどの程度の一般になったのかは不明です。衰退した時期はあったとしても、現在でもタイを代表する高級な焼き物であることには違いありません。



焼き物の値段はわからない
値段がピンキリなのは、焼き物やグラスにはありがちです。
「24金を使用して手作業で絵付けをしているもの」「金メッキでプリントした絵柄」では価格が違うのは当然。
たとえば、江戸切子のグラスでも、素材(ソーダガラスかクリスタルガラスか)や生産目的、成型作業など、様々な要素で大きく値段が異なっています。

安いやつはすべて偽物、安いものが悪いものというわけでもありませんよね。
高い物や大きな工房や窯、有名な作家が作ったものがすべていいものと思ってる人ほど、成金趣味だったり、贋作をつかむ、というのはよくある話ですが、それでもどこで買うか?、多少は注意した方がよいかもしれません。

今回は、ゆっくり見る時間もなかったけど、タイ国内ではどこで誰から買えばいいかがわからないので、手が出しようがなかったというのもあります。1客2,500バーツなら手が届かない金額でもないのだけど、もっと色々見てから買いたいですよね。




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<編集後記>
日常的に使うものなら、気に入ったもの、自分の手になじむものと出会ったら買えばいいとは思いますが、さすがにこんなにキラキラしたものを日常的使いできる暮らしをしていないので(笑)。現代風にアレンジされたお手頃価格のものもたくさん出ていて、以前よりも敷居は低くなっているものの、それ以前に自分の暮らしを何とかせねば・・。
絵付け体験とかあったらやってみたいなあ。


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