今回巡った遺跡群の中で観光客が一番多かった「ワット・ヤイチャイモンコン(Wat Yai Chai Mongkon)」。1357年にアユタヤ王朝初代ウートン王がセイロン(現スリランカ)から帰国した修行僧たちの瞑想のために建てた寺院。
映画「ビルマの竪琴(1986年版)」のロケが行われた場所でもあるそうです。
この仏塔は、16世紀の終わり頃に第19代の王ナレスワンがビルマ軍との戦争で自ら象に乗り、ビルマ王子との一騎打ちで破り、戦いに勝利したことを記念して建てられ、その高さは72m。
中には仏舎利(釈迦の遺骨)が収められていると言われています。「吉祥なる勝利の寺院」という意味だけあって、勝負運をアップしたい人向けのパワースポットなんだとか。
多くの有名な遺跡では、観光客の増加に伴い、遺跡の保存や観光客の安全など様々な問題が出てるそうですが、そんな中で中段までとはいえ、登ったり中に入ることができる遺跡の仏塔は、現在ではとても希少なものとなっているようです。
他の遺跡のように、崩れたり痛々しい仏像がほとんどないのは(修復したのもあるでしょうが)、18世紀後半のビルマ軍の侵攻では、川や市内から少し離れた場所だったことから、戦火を免れたそうです。
中国の兵馬俑ほどではありませんが、よく見ると、お顔がひとつひとつ違いませんか?
ここは現役の寺院でもあるため、地元の方も参拝に来られる祈りの場がありました。
見過ごしてしまいそうな小さなお堂は、難病の子どもを持つ親御さんたちが、病気の平癒を祈っておもちゃをお供えしているそうです。最近は、大人気のドラえもんのぬいぐるみが増えているのだとか。
さらに奥にいくと、さらに優しいお顔の涅槃像に出会いました。映画「ビルマの竪琴」の主人公の水島が奏でる竪琴の音が、仏像の中から聞こえてくるシーンを思い出します。
みなさん、足の裏に硬貨を貼り付けていました。
硬貨を貼り付けられるのは「徳がある人」とか「願いが叶う」と言われています。
けれど、何より、なかなか張り付かなくても落ちてしまっても、がっかりする必要はなく、大事なのは気にしないことなんだそうです。明るいですね(笑)。
全て修復がおわるのはいつのことになるのか想像もつきませんが、いつか修復をした後に「むかしはこんなにボロボロだったんだー」と思える記録みたいな記事になるかもしれません。
●ワット・ヤイチャイモンコン:
https://thailand-navi.com/wat-yai-chai-mongkon
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