今回の記事もまた、崩壊したままの仏像の画像が続きます。菩提樹の木の根の間に埋め込まれた仏像の頭で有名な「ワット・マハタート(Wat Mahathat)」。
13世紀に建てられた重要な寺院のひとつ。かつては高さ50mほどの仏塔が建ち、その頂上には黄金が輝く大寺院でしたが、こちらもビルマ軍の侵略により崩落。塔の跡からは数々の黄金仏や宝飾品などが発見されたそう。
とても豊かだったようですが、現在では、レンガの壁や礼拝堂の土台や、頭部や腕がない仏像などが残るのみです。
ところで、どうして木の根に絡まれた仏頭ができたんだろう?
ビルマ軍に破壊された仏像の首が、たまたま木に取り込まれてこのようになったとのこと。まるで設置したようにしっかり正面を向いているってすごいなと思ってたら(他の仏像と顔の造りが違うのも気になりつつ)、
ガイドさんいわく
「自然だけの力ではないと思う」
とキッパリ。
ガイドさんが日本語も説明も上手だったのですが、個人的見解をガンガン述べていて、それ言っちゃって、そんなに言っちゃって大丈夫なのかな?と思いつつ、次は何を言い出すのか、楽しくもありました(笑)。
この仏頭の写真を撮るときの決まりごととして、
- 仏頭よりもカメラを低い位置にする
- 一緒に写真を撮る場合はしゃがんで仏頭よりも自分の頭が低くなるようにする
だそうです。
興奮して写真を撮ってるうちにうっかり中腰でカメラを向けた人に、ガイドさんが慌てて注意していましたので、ここではとても大切なことのようです。
ここも激しい闘いの痕がありました。
散らばってしまった体の部位を集めて修復をしたそうなのですが、頭が見つからないままのものも多いそうです。
1つの王朝の繁栄と終焉、すざましいものがあります。
焼けて崩れた中にいて、まるで何もなかったように静かに坐るお姿が本当に美しかったのですが、それを写真に収めるのはとても難しい・・・。実際はもっともっと美しく感じます。
奥に行くほどまだ修復の手が行き届いておらず、戦禍が激しかったことがうかがえるのと同時に、不気味な感じもして、あまり長居したくない雰囲気です。日本も歴史がある国なのに、あまり生々しい歴史を感じる機会がないせいか、ちょっと「異空間」です。
傾いてしまって、斜塔と化しているものもたくさんありました。
日本も約70年以上前に空襲で焼け野原になったし、大日本帝国ももう存在していません。原爆ドームや東京下町の言問橋(ことといばし)の焦げ跡とかは残っていますが、そんな過去など、まるでなかったようにきれいになっています。
どうしてタイでは残すことを選んだのだろう?
どうして日本は何もなかったかのように消し去ったのだろう?。
どちらが正しいとか間違ってるとかではないけれど、考えずにいられませんでした。
●地球の歩き方
中世に繁栄した世界遺産の古都 長い歴史が織りなす街・世界遺産アユタヤ(タイ):
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/1003926/
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