Thailand|アユタヤ遺跡群(1):ワット・ロカヤスタラーム/お釈迦様の最期の説法

アユタヤの遺跡群の中から、まずは「ワット・ローカヤスターラーム(Wat Lokayasutharam)」から見学。バンコクからアユタヤへの移動ですが、自力で行くのは大変なので、現地ツアーを申し込みました。

そもそも日本にいると坐像が多くて涅槃像を見る機会は滅多にありませんが、思いっきり下がらないとカメラのフレームに収まらないほど大きい像を見ることもありませんよね。

 


1.ワット・ローカヤスターラーム(涅槃像)
この涅槃像は、80歳で入滅した仏陀を表し、レンガと漆喰で作られています。完成したのは1452年。18世紀のビルマ軍侵攻によって破壊され、1956年に復元されたものです。高さ5メートル、全長28メートル。雨季は、オレンジ色の袈裟を纏っていないそうです。



手前にある小さな黄金の涅槃像は、自分の身体の悪い部分にと同じ個所に金箔を貼るとよくなったり治ったりすると言われています。周辺で「お供えセット」が売られていて、そこに金箔も含まれているそうです。



このきれいに指の揃った偏平足は涅槃像だけに見られるもので、他の形の像(たとえば坐像とか)では揃っていないそうです。坐像ではなかなか気づきにくいのもありますが、そういえば、仏像を見るときってついついお顔ばかり見てしまいますよね。





2.ワット・ローカヤスター寺院の跡

寺院の基礎と仏塔だけが残っています。焦げて崩れたレンガを見ていると、ビルマの攻撃がすごいものだったのだろうなあと。



結構広くて、歩いても歩いても中心部の仏塔が遠くに見えています。
曇っていたので直射日光に当たらずに済んだけど、それでも暑いし、湿度はとても高い!こんな感じのところなので、突然に雨が降ってきても雨宿りができる場所はありません。水や日焼け止め、帽子やサングラスも必要だと思いますが、その他、日傘兼用の雨傘とか雨合羽を持って行った方がいいかもしれません。
意外と歩いて汗をかくので、汗拭きシートや塩飴も助かりました。



3.アユタヤの歴史

タイの歴史は長く古く、旧石器時代まで遡ります。現在のような独立国になるまでに、数多くの王家と5つの王朝の盛衰があり、王朝によって建築様式も随分異なります。

アユタヤは、1350年にアユタヤ王朝の中心となったところ。
水運を利用した海外交易と、平野を生かした稲作で繁栄し、1431年には衝突していたクメール帝国を平定し、東南アジアで最大の勢力を誇っていました。
15世紀~17世紀頃、世界は大航海時代を迎え、アユタヤも東西交易の中継地・国際都市として発展し、王朝は最盛期を迎えました。都市計画や中央集権制度、国際貿易振興といった近代国家の基盤が作られ、その後のバンコク王朝にも受け継がれています。
また、この頃、日本人町もこの地に生まれています。

平和な安定期には衰退していた仏教も復活したものの、1758年に当時の王が死去すると、2人の王子の権力争いから国内は不安定になり、王朝の求心力は急降下してしまいます。
その頃に勢力を強めていたビルマのコンバウン朝が、弱体化したアユタヤを一気に攻め入り、1767年4月にアユタヤは陥落。王位もはく奪されたことから、アユタヤ朝は完全に崩落しています。
5つの王家でおよそ400年も続いた王朝の長い歴史は、ここで幕を下ろしました。その当時のビルマ軍の攻撃の傷跡が、現在も残っています。

ちなみに、今から400年くらい前の日本を思い浮かべる歴史のキーワードは「関ケ原の合戦」とか「キリシタン禁止令」、その頃から現在までと考えると確かに長いですね。



4.お釈迦様の最期の説法

弟子たちの前で安らかな顔で最期の説法をしている姿を現しているという涅槃仏。
このとき、お釈迦様が悲しむ弟子を諭したときのお言葉について、どこかで聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

「私がいなくなっても悲しむな。
 私自身に帰依するのではなく、真の法(のり)に帰依せよ。」



死が間もないことをさとったお釈迦さまは、アーナンダに命じ、2本並んで生えた沙羅(さら)の樹(沙羅双樹=さらそうじゅ)の間に頭を北に向けた寝床を作るよう告げました。そして右脇を下にし、足を重ねて横たわったのです。
その時突然、沙羅双樹の花が一斉に開き、お釈迦さまの体に白い花びらとなって舞い散りました。虚空からは美しい音楽と歌が鳴り響き、また天上の花や、かぐわしい香りがお釈迦さまへと降り注いで、お釈迦さまがついに入滅の時を迎えることを告げたのです。
お釈迦さまの周りに、弟子たちや大勢の人々が集まり涙を流しました。あらゆる世界の精霊、神々、天人もここに集まり、お釈迦さまの入滅を嘆いたといいます。号泣するアーナンダに、お釈迦さまは優しく語りかけました。

泣いてはいけない、嘆いてはいけない。
私は説いてきたではないか。
愛するものとはいつかは別れる。
生まれたものはやがて滅すると。



そして、アーナンダの献身的な帰依と、その徳を讃えました。お釈迦さまは、

修行者たちよ、すべては過ぎゆく。
怠ることなく修行を続け、完成させよ。



との言葉を最後に、静かに入滅し、涅槃に入ったと経典は伝えています。


(引用)浄土宗公式WEBサイト:涅槃会 
https://jodo.or.jp/everyday/event/nehane/



●Wat Lokkayasutha
https://www.tourismthailand.org/Attraction/wat-lokkayasutha

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