泰緬鉄道の乗車まで、駅から数分程度のところにある「第二次世界大戦博物館 Art Gallery & War Museum」を見学。第二次世界大戦を中心に「戦争」をテーマに展示を行っている私設博物館です。
入口では、実際に泰緬鉄道で走行していた車両「C5631」がお出迎えです。私設にしてはすごい!
事前に調べていた観光情報では、この場所には「Art Gallery & War Museum」と「JEATH博物館」と2つの表記がありました。現地で看板を見る限り前者が正しそうです。
蒸気機関車は旧日本軍が造ったもので、実際に泰緬鉄道で走行していた車両「C5631」で、遊就館(東京・九段)に展示されている蒸気機関車と同じなのだそうです。
でも、何で自動車を積んでるのかは不明です。
このC56型、1935(昭和10)年~1939(昭和14)年の間に量産され、その数500両。川崎車輌、汽車製造、日立製作所、日本車輛製造、三菱重工業の5社が製造していました。この時代に生まれた人々が戦争によって運命を翻弄されてしまったように、この時代に造られた機関車も翻弄されていきます。
入口に掲げられた旗は、「日章旗」と「旭日旗」???? |
戦争博物館に足を踏み入れます。
欧米や日本の博物館や資料館と比べると、アジアは「グロい」「整理がされていない」「キャプションが少ない」とは聞いていましたが、入り口付近を見ただけで、確かになあ・・と思いました。
【注意】画像は慎重に選びましたが、つらくなりそうな方はここで閉じてください。
日本では、広島の原爆資料館に被爆者の人形が悲惨過ぎると物議を醸しだしたことがあります。また、昨年アメリカで第二次世界大戦に関連する博物館に行ったとき、生々しく悲惨な展示はありませんでした。戦後豊かになって意識が変わったのもあると思いますが、戦争の悲惨さが伝わりにくいという声があるのも確かです。
実際のところ、学生の修学旅行をはじめ、不特定多数の方が来る博物館では難しいものがありますよね。レンタル・ビデオ屋さんの18禁コーナーのように、ここから先は・・とか区切るのもおかしな感じがしますし、伝承・継承はなかなか大変です。
青い肌、まるで晒し者のように立ってる像が怖い。
中は、ちょっと薄暗い感じ。
所狭しと展示物が詰め込まれていますが、武器や軍票、所持品の他、残酷さを感じる写真の展示がほとんどです。第二次世界大戦だけでなく、もっと昔の戦争関連のパネルも飾られていました。
キャプションは、一部、日本語が後付けされてているものがある一方で、何故か剥がされていたのもありました。
いろんな国の銃がごちゃまぜですが・・・。
多くの武器が持ち込まれていたこと、戦時下はもちろん、降伏後の混乱の中、投げ捨てられたり、置き去りにされた武器も非常に多く、まだ回収されず、どこかで眠っているものもあるようです。他の国で小さな子供が不発弾の手榴弾で遊んでいたという事件もあったようなので、何かきっかけで誰かが傷つくことがないよう祈るばかりです。
「慰霊」の文字の背景写真に人骨。ぐっと来ます。
私設博物館とのことですが、よく集めたなあと思いました。誰がどんな思いで設立したのかがわからなかったのが、残念です。もしかしたらどこかに書かれていたのかもしれませんが・・。
●4travel:第二次世界大戦博物館
https://4travel.jp/os_shisetsu/10381648
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<編集後記>
蒸気機関車ひとつとっても、保存状態の違いもあって、もはや同じものに見えませんが、錆びたまんまの展示が「風化していく焦り」を感じさせてくれました。日本だったらきっと、来館者からは見えないところまで手を抜かず、部品を交換したりピカピカに磨いていると思います。
まるでエンバーミングのように「かつての立派だった、輝かしい姿」を再現するのか、こんな風に「時間の経過」を感じさせるのか。展示の仕方についても考えさせられます。
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