東京|矢橋作品のモザイク壁画(1):東京交通会館(千代田区有楽町)

高度経済成長期に建てられたビルの解体も気になってきたので、今回は、有楽町駅前にある店舗・オフィス・展示場などを有する大規模な複合ビル 「東京交通会館」へ。1965(昭和40)年竣工です。やはりこの時代のビルは、角に丸みを付けています。


東京交通会館が建っている場所は、東京都交通局と、戦後の闇市から発展した立ち飲み屋、寿司屋など木造店舗がひしめき合う「すし屋横丁」があった場所。当時、近所にあった都庁や大手新聞社(朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社)の記者達の溜まり場として昼夜を問わず賑わっていたそうです。

 

中に入ると「螺旋階段」に「モザイクタイル画」など、昭和らしさがあちこちに。パスポートの申請で来ますが、更新のたびに中の店舗の変化を感じます。現在、階にはアンテナショップが立ち並んでいます。



壁一面のモザイク壁画は、まさに、職人さんの手仕事。
見る人が見たらわかるかもしれない貴重な石も使われているかもしれません。


 

「緑の散歩」~1965(昭和40)年
1〜3階階段踊り場にある「緑の散歩」。
日本における、大理石モザイク壁画の第一人者、岐阜県出身の洋画家・矢橋六郎さん( 1905ー1988)の作品。

  • 「海」(大名古屋ビル)
  • 「彩雲流れ」(新東京ビル)
  • 「日月と東海の四季」(名古屋駅新幹線口)
  • 「松と海」(新大阪駅貴賓室)

などを制作している。晩年にはステンドグラスも制作されていたそうです。

 




 

こういう作品も、もしビルが建て替えるようなことがあったら、なくなってしまうんでしょうか・・・。

 

このあたりがバラックだったという風景は写真でしか知らないけれど、将来「前は、このあたりに交通会館があったよね。パスポートの申請で来たっけ」っていう会話をすることになるのかも。今のところ、解体の噂は聞いていませんが、いつか交通会館から見えるこの風景もまた、変わっていくのかもしれません。

 

 

 

東京交通会館https://www.kotsukaikan.co.jp/


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