毎月第3日曜日、神奈川県藤沢市の龍口寺(日蓮宗)で骨董市が行われています。いつごろからか骨董市に行くと、出征前に撮った写真や訓練中の写真、軍事郵便などが売られているのをよく見かけるようになりました。
ご家族のところに返してあげたい気持ちになるものも多いのですが、ご家族が収納や処分等に困り、古道具屋さんなどに持ち込むことも少なくないそうです。
写真を見ていたら、老紳士が「この服は予科練だねー、こっちは○○だねー」とか、軍服の見分け方(?)を解説してくださいました。「僕は昭和6年生まれだからね、こういうのは見ればわかるよ」。まるで、私達の世代があの制服はどこの高校かなどを咄嗟に判別できたように、実にさらっと判別。
「海軍の制服って、恰好よくてね(笑)」。
売られていた軍票や軍事郵便(検閲済)、切符など、色々なものについても説明してくださいました。こんな風にパッと見ただけで説明できる人はだんだん少なくなり、写真も手紙も資料も、売れなければいずれ焼却されてしまう、消えていく記録と記憶。見ていると、ハガキや雑誌などの印刷物は軍国主義らしい妙に勇ましい絵もあれば、コミカルでかわいい絵もあり。白黒写真や映像でしか知らない当時の日本は、思うよりずっと、今よりずっと、色彩も表情も豊かだったのかなと思うと、ちょっとホッとしました。
軍事郵便については、保存やコレクションしてる方、解読・解析してくださる方もいるようで、もし自宅にあったら捨てる前に、ネットで探してみるのも一案です。検閲があったから自由に書くことができない時代でしたが、戦地にいる人と家族をつなぎ、互いの様子を伝える手段だったのですから。見ているとさまざまな思いが伝わってきます。
郵史日乗ーGANさんの日本郵便史リサーチ :https://szkganz.seesaa.net/
軍票などもネット上でも売買されていますが、偽物に注意! とのこと。本物かニセモノか、その時代を知らない素人には判断できないのが難しいところ。
この骨董市で売られていたものは、かつては当たり前に生活の中にあったもの。
今後、今以上に使い捨てみたいな消費社会が加速すると、こうして数十年後まで残る商品ってどのくらいあるのかなあ、骨董市自体もいつまで成り立つんだろう。骨董市自体が骨董になりそうな気がしてきます。
以前、いい感じの「そばちょこ」が手に入って感激しましたが、何に出会うかはそのときのお楽しみ。東京では、東京国際フォーラムの骨董市とか有名です。有楽町まで行けない方は、「アンティークドットコム」等で探してみてください。
龍口寺:https://www.ryukouji.com/
アンティークドットコム:https://www.antiku.com/
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