核家族化や少子化も進み、今の時代はお墓を守るのも大変。泣く泣くご先祖代々を無縁さんにせざるを得ないケースも増えているそう。仏様を移すとか永代供養も大変で、現実にはご供養を気にする人ほど、そうした話を切り出せる立場でないことも多かったりもして。
浅草寺さんでは、宗派を超えての「回向(えこう・ご先祖供養)」をしていただくことができます。どなたか特定の方(個人名)でも、「○○家先祖代々」という形でも大丈夫。
ご先祖供養といっても、いったい何代遡ればいいのやら?
我が家(父方)はもともとあったお墓もお骨も、空襲に遭って以来、どうなってしまったのかわからないままです。戦後、祖母が急いで探した都内のお寺の墓地には、それ以降に亡くなった親族は入れたけれど、戦前に亡くなった親族の分は・・。
また、お骨が戦地から戻って来ていなかったり、空襲や災害などでご遺骨を拾えなかったご家庭も珍しくありません。お仏壇とか故人との思い出や遺品、何より「ご供養の気持ち」そのものを拠りどころにするしかありません。
その気持ちをがっつり受け止めて頂く場として、あるいはお墓はあるけど遠くてなかなか行かれない場合など、理由は何であれ、お参り代わりのことがしたいときでも、ご回向をしていただくのは、ありではないかと思っています。
この常香炉の煙を浴びるのは、お参り前に身体のけがれを落とすほか、体の悪いところが良くなるという言い伝えがありますので、浅草寺さんに来られた際には、是非。
効能効果はわからないけれど、なかなかお参りに行けないとか、なかなか悲しみがなくならないといったもやっとした気持ちも和らげてくれそうです。
回向・廻向(えこう)
文字通り、自分が積んだ善根の功徳を自分のためではなく、他の人のために回して向けること。わかりやすく言えば、ご法事に参列した人々がそれぞれ自分が積んできた善根の功徳の一部を、今日のご法事のために振り向けて下さいと念じて、お参りすることです。
もちろん、ご法事を営むこと自体に大きな功徳が在るわけで、それが故人に回向されるのは当然のことですが、同時に参列する人々にも、是非そうした気持ちでおまいりしていただきたいと思います。
ただ、その場合、自分の積んだ功徳を故人に分けてやるというような、驕った気持ちは捨てなければなりません。あくまでも、仏さまのお力をお頼(たの)みして、善根の功徳を故人にお供えさせていただくという謙虚な気持ちが大切なのです。
(引用)天台宗HP:法話集「回向」について
http://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=31
申込方法
志納金は、申込書の書き方見本に「参千円」と書かれていたため、その金額を書いてしまいましたが、3千円以上であればいくらでもよいそう。
他のご祈祷では、金額によって札の大きさが変わり、祈祷の後にお札をいただけますが、ご回向は「亡き人を偲び、ご供養するためのもの」。回向札は読経法要後にお焚き上げをしてもらうので、回向札の授与はありませんが、窓口で申し込み時に「お砂糖」か「お線香」のどちらか好きな方をいただけます。
お線香の香りがよかったので(白檀+漢方っぽい感じ)、お線香を頂戴しました。
ご回向は1日3回(所要時間は30分くらい)、年末年始とかお彼岸、イベントがあるときなど繁忙期以外は、普段の日であれば当日申込みでOKだそう。回向は郵送でも受け付けてくださっているとのこと。宗派も関係なく、回向していただけるとのことです。
時間帯など詳細は、HPでご確認ください。
浅草寺
https://www.senso-ji.jp/visit/
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