Seasons|見かけなくなった彼岸花+花言葉

春になると蓮華の花を見かけていたように、秋のお彼岸の頃になると河川敷や田んぼの横、線路沿い、墓地などで見かけていた彼岸花(別名:曼殊沙華)。最近はめっきり見かけなくなりました。

乾燥状態が続いた後に大雨が振ると一斉に花が咲く、花が咲いてから葉が伸びるという特徴があるので、どこかに見に行くときは大雨の後がねらい目だそうです。

 

 
地域によっては「死人花」と呼ばれて忌まれるなど、有毒、迷信の他、死など不吉なものを連想させることもある花ですが、名所では毎年観光客が押し寄せているそうです。


●迷信「家に持ち帰ると家事になる」
球根に毒が含まれており、経口摂取すると流涎(よだれ)や吐き気、腹痛を伴う下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こし、最悪の場合は死に至ることもあるほど、毒の作用が強い。
そんな強い毒性を持った植物に子供が触ることがないよう、赤い彼岸花がメラメラと燃え盛る炎のように見えることにかけ「家に持ち帰ると家事になる」などの迷信が生まれたとも言われている。

 

●民間療法と害獣対策
その毒性も使いようで、民間療法や害獣対策として利用されていた。
たとえば田んぼを荒らす虫や動物が彼岸花の球根の毒を嫌って避けるため、また墓地においては土葬だった時代に、死体が動物に荒らされることを防ぐために植えたとか。ミミズを餌とするもの(モグラとか)は、ミミズが彼岸花を嫌ってその付近の土中に住まないために、結果としてこの草の近くにはそうした害獣が来ないそう。

 

 

●非常食糧
大飢饉の時に鱗茎を掘り上げ、有毒成分を水洗いで除去した後、約30%も含まれるデンプンを食用にして、市場でも売買されたとかの記録がある。まさに生活の知恵。




●花言葉

情熱、独立、再会、諦め、転生、悲しい思い出、思うはあなたひとり、また会う日を楽しみに。誕生花:9月20日、9月23日、11月15日

 

日本列島で繁殖しているヒガンバナは種なしで、自ら生育地を広げることができず、人の手が一切入らないような場所に、突然育つことがないそうです。最近は見かけなくなってきたので、今見ているところも、時間の問題のような気がします。



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<編集後記>
見かけなくなったのは彼岸花のイメージだけでなく、開発の問題かなと。手入れの問題もあるでしょうけど、「名所」を作って集客するため、他の場所の草木が伐採されていまうす。たとえば、団地や住宅地の桜並木も伐採され「〇〇公園で桜まつり」とかすごく宣伝し、特定の場所に人を集めてイベントやったり屋台が出たり。
梅を見たら桜、桜が終わったら、つつじ、藤の花・・と、まるでツアーみたいに(牧羊犬に追われる羊みたいに)、追い立てられてる感じが。
買い物帰りとか近くの公園とか、普段の生活の中で見かけて季節を感じることも大切なんじゃないかなあ。ぺんぺん草とかドクダミとかも含めていろんなものを見て、その都度、両親や周囲の大人に教わった幼い頃の思い出って、記憶に残るんですよね。



【追記:2015年9月】
見事に伐採されていました。もともとほんの数メートルの距離しかなかったけど、それでもこれだけ真っ赤に咲いている光景はきれいだったのですが。

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