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日本の関東圏だと箱根登山鉄道が有名ですが、世界三大登山鉄道のひとつと言われている「阿里山森林鐵路」、やはりパワーが違います!
始発「嘉義」駅~終着駅「沼平」駅(旧・阿里山駅)まで全長72.7kmを、約3時間30分かけて登りますが、その標高差は2274m、30m進むごとに高さ1m上昇するくらいの山道。
阿里山森林鐵路は、15の駅、49のトンネル、72の橋と3つの気候帯(熱帯0~800m、亜熱帯800~1800m、温帯1800m以上)を通っています。
鉄道は、鉄のレールと鉄の車輪の摩擦力(粘着力)で動いているため、どっしりしていそうで実は滑りやすいのだそう。山岳地帯の急勾配急曲線等の路線を走るには、特殊な構造・装備が必要になりますが、阿里山森林鐵路では、乗客にもわかりやすいものとしては
- ループ線(山をらせん状に走行)
- 馬蹄カーブ(180度の大型カーブ)
- スイッチバック(進んだり戻ったりしながらジグザグに進む)
などを採用。特に、樟脳駅~獨立山駅間には200mの高さを5km走行して登る「獨立山スパイラルループ線」と呼ばれるポイントがあり、列車は円周をだんだん小さくしながら三重スパイラルを描いて獨立山を登り、最後は8の字ループを描いて抜けていきます。
阿里山森林鉄道 路線図(©Zen Tech) http://www.travel-zentech.jp/world/map/taiwan/Map-Arisan.htm |
阿里山森林遊楽区地図(©Zen Tech) http://www.travel-zentech.jp/world/map/taiwan/Map-Arisan.htm |
蒸気機関車時代は、前方で列車を引っ張っていた機関車を後部に連結し直してお尻を押すように押しながら山を登っていたそう。
阿里山森林鐵路の歴史
下関条約によって台湾が清朝から日本に割譲された1895年(明治28)年。
台湾中南部一帯に広がる森林地帯を日本への木材の供給基地にできるかどうか、すぐに調査が開始されました。最初に開発されたのが阿里山でした。
木材をどう運ぶのか?阿里山では、輸送方法に「鉄道」を採用し、着工は 1906(明治 39)年、途中、資金難に陥りながらも、1914(大正3)年に阿里山(現・沼平駅)まで到達しています。
昭和時代に入ると、森林鉄道は観光客の移動手段としても使われるようになり、戦後になるとトラックや自動車での輸送が増えたり、森林資源も減少したことから、多くの路線が廃線になっていきました。
「阿里山公路」が開通したことにより、2時間くらいで阿里山まで行けるようになりましたが、阿里山は戦前から台灣八景の一つに選ばれている景勝地だったため、阿里山森林鐵路は車が入れないエリアに支線を敷設、旅客列車の運行を開始しました。
それが当たって、1983年からは眠月線、1986年から祝山線が開通しています。
祝山駅に下車、そこから見る風景
祝山線の最終駅「祝山(ヂュシャン)」は、標高は2451メートルで台湾最高標高地点の駅。駅前にはご来光を拝める人気の観光スポット。
祝山線は、ご来光の時間に合わせた運行をし、行きは阿里山駅から出発して日の出の30分ほど前に祝山駅に到着、帰りは日の出の40分後ぐらいに祝山駅を出て阿里山駅に向かう列車があるそうです。
阿里山林業鉄道
https://afrch.forest.gov.tw/Ja
私達も早朝の阿里山にご来光を見に行きましたが、阿里山駅まで行くために、どうしたか?「阿里山賓館(大正時代に創業し100年以上の歴史を持つ老舗ホテル)」に宿泊。ただ、初日の出を拝むときはすごく混むし、阿里山賓館の予約も取れるかどうか・・。
このあたりは、運が良ければ「雲海」も見られるエリア。
ビンロウやバナナの木が生い茂る南国の風景もいいけれど、山岳地帯もお薦めです。
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